出不精が行く!!
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NZ新婚旅行記 〜その4 おっとり雀〜

 朝、部屋から電話をして、帰りの便のリコンファーム(日航なので日本語)と、南島へ渡るフェリーの予約(こちらは英語)をした。予約は何か手違いがあると困るので必死である。気合いを入れて何とか乗り切った。

 親切にしてもらったロトルアのモーテルのおじさんと一緒に写真を撮ってから、ファカレワレワに向かった。ファカレワレワとはロトルアを有名にしている大地熱地帯だ。日本の姉妹都市が大分県の別府だということでもわかるように、ロトルアは温泉の町で、いつも硫黄の臭いに覆われている。ファカレワレワは別府でもお馴染みの(といっても私は別府に行ったことはないのだか)地獄めぐりみたいなところである。見学用の道が整備されていて、いくつもの間欠泉がドブシーッ!と吹き上がる。風向きなどによってはしぶきを浴びるぐらいの距離で見る事が出来る。ここにはマオリ村もあって(実際にマオリ族の人が生活しているらしい)マオリの文化を見る事が出来る。

 このファカレワレワ内で軽い昼食を取った。快晴の空の下、テラスのテーブルで気持ち良くサンドイッチなどを食べていると、足もと近くに雀がやって来た。とは言っても、初めて見る小鳥には違いなく、雀であると確認したわけではない。だが、あんなような色合いと大きさで、数羽が一緒になってチュンチュンとそこら辺をついばんでいたら、どうせ雀に決まっているのだ。色や模様や体つきが日本のものとは少し違っているし、もちろんイタリアの雀とも違うが(イタリアのその小鳥も本当に雀なのか確認したわけではないが、やはりあれも雀に決まっている)、
「私は雀です」
 と主張する何かがあるから、あれは間違いなく雀なのだ。ということで話を進める。

 その雀たちに妻がパンのカケラを投げ与えると、当たり前のように雀たちはそれをついばんだ。集団のなかにはいつも鈍くさいのがいるもので、そこにも一羽、パンをなかなか食べられない奴がいた。どうも動きが鈍く、すぐ目の前にあるパンも他の雀に食べられてしまう。そのうち、パンはすっかり無くなって、雀たちは飛んで行ってしまった。ところが、例の鈍くさい一羽だけがなぜかそこにたたずんでいる。どうしたのかと思って妻が顔を近づけて見てみると、なんとそいつはうつらうつらと居眠りをしていた。これには妻が大爆笑して、すかさず写真を撮った。ポカポカ陽気が気持ち良かったのかも知れないが、長い間、捕食者のいない環境であったニュージーランドの生き物たちは、きっともともとがのん気にできているのだろう。

 ニュージーランドには湖が多く、ニュージーランド観光は湖巡りだったと言ってもいいほどに、湖畔の町を渡り歩いた感がある。ロトルアの町も湖のほとりにある。そのロトルア湖はほとんど無視して、我々はタウポ湖へ向かった。タウポ湖はニュージーランド最大の湖で、なにが素晴らしいと言って、とりたてて印象に残ったものがない。ただタウポ観光の目玉としてホカ滝なるものがある。高さはないが、水量とスピード感が圧倒的な迫力である。と、ガイドブックには書いてあるが、道がわからず行けなかった。というわけで、少しの間湖畔を見て回って、駐車場にいた猫の写真などを撮ってすぐ出発したという、思い出浅いタウポ湖であった。

 この日の宿泊地はナショナル・パークというところになんとなく決めていたが、早く着き過ぎてしまい、また、あまり良い宿もないようなので、もうひと足伸ばすことにした。この先、北島ではこれといった観光スポットもなく、取りあえず宿があれば良いといったことで、ワンガヌイなんて土地をわけも解らず選んだ。観光地としてはなんにもないところだ。『地球の歩き方』でもひと言も触れられていない。着いてみればほんとに見るところもなく、ひとまず良いモーテルを探した。

 小綺麗でゆったりした感じのモーテルを見つけたので入ってみると、スキンヘッドのパワフルなオッサンがすっ飛んできた。動きにキレがあるちょっと強面のマッスル系なので一瞬ビビったが、話してみれば実は優しそうなおじちゃんである。例によってミルクを一瓶渡されて部屋に入った。ロトルアの宿以上に広くて綺麗だ。天井は高く、日当たりもよく、申し分ない。2ドルのコインランドリーもあって、スパにも入れて、それで一人5000円程度なのだから驚いてしまう。日本の宿もこのぐらいリーズナブルだったらもうちょっと旅行に行きやすいのにと思う。

 晩飯を食いに行こうと思い、スキンヘッドのおじちゃんにレストランの場所を尋ねた。
「ジャパニーズ?チャイニーズ?イングリッシュ?」
 何料理がいいか逆に尋ねられた。まずいと知った英国料理を食べようと思うわけもなく、
「ジャパニーズ」
 と答えた。
「オ〜ゥケェ〜イ」
 おじちゃんがシャープな動作で教えてくれた店に行ってみれば、そこは中華料理屋だった。人の話を聞いているのかオッサン。

 別に日本食にこだわっていたわけでもないのでそのまま入ったが、はっきりいってまずい。こちらの人の感覚で適当に作っちゃったという感じの中華風料理である。ただしなぜかお茶だけは美味かった。料理はまずいけれど、例によってとても安くて多い。2人分で2500円ぐらいだったが、量的プラス味的に食べ切れなかった。
「うわあ、こいつはちょっといただけないなあ」
 という料理にほとんど手を付けずにいたら、ウェイトレスさんが残念そうな表情で、
「お嫌いですか?(英語で)」
 と話しかけてきた。
「私には甘過ぎます(英語で)」
 と答えたが、悪いけど本当にすごい味だったのだ。

 やっぱりニュージーランドは、質より量を好む人にお勧めです。環境もいいし、物価も安いし、家は広いし、治安もいいし、味音痴の方にはニュージーランドはとっても住みやすいところ。

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