出不精が行く!!
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NZ新婚旅行記 〜その11 旅の終わり〜

 テ・アナウを朝の9時に出発した我々は、11時半頃に目的地のミルフォード・サウンドに着いた。ミルフォード・サウンドとは、マウント・クックに並び称されるニュージーランドきっての風光明媚なところ。雄大な景観を誇るフィヨルド式海岸の入江である。キャプテン・クックでさえも発見できずに、つい200年近く前まで誰も気がつかなかった神秘の入江だそうな。

 テ・アナウからの道中の景色もなかなか素晴らしいものだったが、テカポ湖、プカキ湖を前にしたマウント・クックにはやはり敵わない。ドナルド・サザーランドの家だったというホテルのレストランで昼食をとって、1時からクルーズをした。船の名をミルフォード・ヘブン号という。ちなみに、ドナルド・サザーランドとは、キーファー・サザーランドのお父さんであるところの俳優であるが、このホテルは彼の別荘だったのかと思っていたら、実は全くの別人であるということを今知った。こちらのドナルド・サザーランドさんは、ミルフォード・サウンドに初めて住み着いた人で、19世紀のスコットランド人冒険家であるらしい。俳優のドナルド・サザーランド好きな我が妻が、十数年ぶりに真相を知ってがっかりしたところである。

 ミルフォード・サウンドのクルージングは1時間40分に及んだ。素晴らしき好天のもと、ライオン岩だの、ゾウ岩だの、なんだかフォールだの、昼寝のアザラシどもだのと、見どころは沢山ある。アザラシたちは、どうやってその岩の上まで上ったか、というような高い岩場の上で寝そべっているのだが、遠目に見るとナメクジかヒルが石に貼り付いているようで、別に楽しくも美しくもない。ミルフォード・サウンドは確かに綺麗で壮大な風景ではあるが、個人的な感想としてはやっぱりマウント・クックの美しさの方が上かなといった感じではある。でもまあ、そこまで行ったならクルージングをしない手はない。とてもまあまあの景色であるから。

 期待が大きかっただけにやや拍子抜けした気分で再びテ・アナウへ向かった。同じ道程をなぜか戻りは2時間弱で到着。少し休んでから、インバカーゴ(インバカーギルともいう)ヘ向かう。途中、珍しく分かれ道があった。内陸を通る道と海岸線を通る道。シーニック・ラインとの案内があった海岸線側をなんとなく選んでみたが、それが大正解だった。景色が実に素晴らしい。この旅行中最高の道の一つだろう。まったくノーチェックの道だっただけに、とても得した気分でインバカーゴに到着。8時前だが、まだ外は夕空である。この日の宿となるモーテルヘ入り、夕食をとりに歩いて外へ出ると、隣にある広い公園から数多くの野鳥の声が聞こえてきた。その中に、例のベルバードの鳴き声が反響していて、その音色の幻想的な美しさに我々はウットリとした。食事は旅の後半恒例の中華。ここの中華レストランもなかなか美味しかった。中華料理最高!

 インバカーゴはニュージーランド南島最南端に位置する町である。が、細かく見ると本当に最南端の町というわけでもなく、およそ最南端である。ニュージーランドは南ほど緯度が高いことを考えると、日本で言えば稚内あたりってな感じか。インバカーゴは静かで落ち着いた良い町だが、何か見どころがあるかといえば、これといってない。オークランドへ戻るのにここから飛行機に乗るために寄ったまでである。というわけで、翌日は空港へ行ってレンタカーを返した。正味8日間で、北島、南島あわせた総走行距離は2,750kmだった。

 10時25分発のクライストチャーチ行きの飛行機に乗る。ここでホントかよ、というぐらいの待ち時間、2時間待たされてやっとオークランド行きの飛行機が出て、着いたのは4時だった。ホテルへ向かうためにタクシー乗り場へ行こうと思ったら、すっかり迷って分からなくなった。困っていると、親切な男性が着いて来いと手招きをして、ずーっと我々を案内してくれた。各ホテルからは送迎バスが出ていて、空港内にある直通の無料電話を掛けると迎えに来てくれる。その男性はホテルに電話まで掛けてくれて、なんの見返りも求めず笑顔で立ち去って行った。何たる親切、ニュージーランドの人!こういうことは、とっても嬉しい。終わり良ければすべて良し、最後の最後でこういう体験をすると、その国の印象がグッと上がるというものである。日本も国際的な好感度を上げようと思ったら、国際空港には親切な人を配しておくべきであろう。

 翌朝は何かをする時間もなく、ちょっとホテルの周りを散歩しただけで空港へ向かった。帰りは特になんのトラブルもなく、スムーズに日本に辿り着いた。妻にしてみればニュージーランドは夢のように美しい世界で(もちろん私から見てもとても美しい国なんだが)、いつまでも戻りたくなかったことだろうと思う。機会があれば何度でも行きたいというのが妻の願いだが、どうせ同じ金を使うなら私としては別な国を見たい。今、私はブータンへ行きたい。が、この話には関係ない。

 ニュージーランドの食事はでかい。『多い』というよりは『でかい』のだ。でかくて、油っこくて、そしてまずい。だから日本食が恋しくなるが、日本料理はあまり普及していない。というわけで向こうの料理が嫌になったら中華料理を食う。日本のように気軽にお茶が売っているわけでもないので、のどが渇けば飲み物はジュースである。当然の結果として、太る。旅の前半の写真と後半の写真を比べると、私の顔の丸さが明らかに異なっている。イタリア旅行に引き続き、この旅でも私は太って帰ってきた。もちろん私だけが太ったはずはなく、妻も太って帰ってきた。おそらく、出発前に比べて二人合わせて6、7キロぐらいは余計に持ち帰ってきたのではなかろうかと思う。夢のように美しく、そして行くと太る国、それがニュージーランドであった。

NZ新婚旅行記 完

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